カザフスタンのフィギュアスケート選手・ミハイル・シャイドロフ選手のコーチについて、詳しく解説していきます。
圧倒的な高さの4回転ルッツを武器に、世界のトップへ駆け上がってきたカザフスタンの新星、ミハイル・シャイドロフ選手。
テレビ中継で彼の活躍を見た時、
と気になった方も多いのではないでしょうか。
実は、シャイドロフ選手の現在のメインコーチは、かつてリレハンメル五輪で金メダルを獲得したフィギュア界のレジェンド、アレクセイ・ウルマノフ氏です。
この記事では、
について、ネット上の噂の真相を交えながら詳しく解説します。
師弟のドラマチックな背景を知れば、次回の試合応援が何倍も熱くなること間違いなしです!
ミハイル・シャイドロフのコーチ「アレクセイ・ウルマノフ」の実績
カザフスタンの新星、ミハイル・シャイドロフ選手の隣に立つ知的な男性。
彼こそが、現在のメインコーチであり、フィギュアスケート界のレジェンド、アレクセイ・ウルマノフ氏です。
なぜ彼が「名将」と呼ばれるのか、その華麗な経歴と指導の秘密を紐解いていきましょう。
アレクセイ・ウルマノフの輝かしいプロフィール
若いファンの方はご存じないかもしれませんが、ウルマノフコーチ自身も、かつては世界の頂点に立った偉大なスケーターです。
| 氏名 | アレクセイ・エフゲーニエヴィチ・ウルマノフ |
| 生年月日 | 1973年11月17日生まれ |
| 年齢(2025年時点) | 52歳 |
| 練習拠点 | ソチ(シリウス教育センター) |
そしてウルマノフコーチは、
でもあるのです。
当時のウルマノフ氏は優雅なスケーティングと、教科書のように美しいジャンプで世界を魅了しました。
ロシアのフィギュアスケート界には、
という二大潮流がありますが、ウルマノフ氏は「サンクトペテルブルク流」の正統な継承者です。
あの皇帝プルシェンコやヤグディンが登場する少し前、ロシア男子の黄金時代を切り拓いたパイオニアこそが、ウルマノフ氏なのです。
リプニツカヤの元コーチで有名選手の指導実績多数
ウルマノフコーチの名前が再び世界的に注目されたのは、ある有名な女子選手の移籍がきっかけでした。
ソチ五輪で「赤いコートの少女」として一世を風靡した、
です。
2015年、彼女は当時の過酷な環境に悩み、ウルマノフ氏の元へ移籍。

ウルマノフコーチは、リプニツカヤ選手に対して、すぐに結果を求めるのではなく、心身の健康を取り戻す「リハビリテーション」のような温かい指導を行ったんです。
結果的に彼女は引退を選びましたが、ファンや関係者の間では「彼女が最後に人間らしい生活と尊厳を取り戻せたのは、ウルマノフの守り育てる指導があったからだ」と高く評価されています。
この「選手を使い捨てにせず、長く競技を続けさせる」という哲学は、現在のシャイドロフ選手の指導にも色濃く反映されています。
異次元のジャンプを可能にしたコーチの指導哲学
シャイドロフ選手の代名詞といえば、ダイナミックなコンビネーションジャンプです。
これを可能にしたのは、単なる筋力トレーニングではなく、ウルマノフコーチによる「基礎の再構築」でした。
ウルマノフコーチは、ジャンプの回転速度だけに頼るのではなく、踏み切る瞬間のエッジコントロールや、空中での姿勢矯正を徹底的に指導しました。

特に注目なのが、世界初となる「トリプルアクセル+4回転トウループ」や「トリプルアクセル+シングルオイラー+4回転サルコウ」という異次元のコンビネーションジャンプです。
「4回転アクセルを無理に狙うよりも、得意なトリプルアクセルの流れを生かして高得点を狙う」という、極めて戦略的かつ合理的なアプローチを実施。
これは、経験豊富なウルマノフコーチだからこそできたコーチングと戦略だったといえるでしょう。
シャイドロフがエテリ門下という噂の真相は?
ネット上で時折見かける「シャイドロフはエテリ・トゥトベリーゼ門下ではないか?」という噂。
結論から言うと、正規のエテリ・トゥトベリーゼコーチの門下生として所属した事実はなく、直接の師弟関係はありません。(※ロシア国内合宿等で一時的に氷を共有した可能性はありますが、指導体系は全く別物です)

なぜ「エテリ門下?」というような噂が流れるのでしょうか?
理由として考えられるのは、
【エテリ門下と噂される2つの理由】
の2点です。
しかし、シャイドロフ選手の拠点はエテリ門下が拠点としているモスクワ(サンボ70)ではなく、ソチにある「シリウス」という教育センター。
モスクワの激しい競争社会とは距離を置き、温暖で静かな環境の中、ウルマノフコーチとじっくり技術を磨いているのが真相なのです。
父・スタニスラフ・シャイドロフも元コーチだった
ミハイル・シャイドロフ選手を語る上で、もう一人忘れてはならない重要な人物がいます。
それが実父である
です。
一部では「父は亡くなったのではないか?」「デニス・テンの父?」といった混乱した情報も見受けられますが、事実は異なります。
スタニスラフ氏はご存命であり、現在も現役のフィギュアスケートコーチとして活躍しています。
しかも、息子であるミハイル選手と同じ、ソチのリンクで指導にあたっているのです。
ただし、現在はミハイル選手の直接のメインコーチではありません。
親子という近い関係だからこそ、あえて指導は名将ウルマノフ氏に任せ、自身は「同僚」のような距離感で息子を見守っています。

お父さんのスタニスラフさんは元フィギュアスケート選手。さらにはカザフスタンの元王者で、過去には子供頃のデニス・テン選手にスケートの基礎を教えた経験もあるんですよ。
また、
「カザフスタンの英雄デニス・テンの技術的ルーツを持つ父」から手ほどきを受け、現在は「ロシアの金メダリスト」に師事する。
シャイドロフ選手の強さは、この二つの偉大な系譜が融合して生まれているのです。
シャイドロフ選手のお父様・スタニスラフ・シャイドロフ氏の詳しい経歴や、デニス・テン選手とのエピソードについては、▼こちらの記事でも詳しくまとめているのでご覧ください。
コーチのSNSでの評判は?
競技中の厳しい表情とは裏腹に、SNS上ではウルマノフコーチの言葉がファンの心を掴んでいます。
X(旧Twitter)では、シャイドロフ選手に対する評価の高さに感動するコメントをインタビュー動画のシェアと共に投稿。
Alexei Urmanov’s interview from last year on Mikhail Shaidorov.
— Anna (@5lzeu4f) May 8, 2025
This got me emotional for some reason 🥹 he talked so highly of Misha, its only a testament of his talent and diligence 😭🥺🤍 pic.twitter.com/5mkUyqVPwD
シェアされたインタビュー動画でウルマノフコーチはシャイドロフ選手に向けて、
という内容を語っており、コーチのシャイドロフ選手への期待の高さを物語っています。
SNS上では、ウルマノフコーチとシャイドロフ選手のことを親子のように温かく見守るコミュニティが形成されています。
まとめ:名コーチと共にミラノ五輪のメダリストへ
ミハイル・シャイドロフ選手の躍進の陰には、リレハンメル五輪王者アレクセイ・ウルマノフ氏という最高峰の指導者と、基礎を築き上げた父・スタニスラフ氏の存在がありました。
エテリ門下のような「量産型」の強さではなく、唯一無二のチーム体制で育まれた彼の才能。
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックでは、コーチと同じ「金メダリスト」の称号を手にすることができるのか。
キスクラで見せる二人の笑顔を楽しみに、これからも応援していきましょう!


